プーシキン美術館の選び抜かれた1500点
帝政ロシアの軍人が集めた浮世絵公開
ロシアの首都、モスクワの美術館で、帝政ロシア時代の軍人が生涯をかけて集めた日本の浮世絵の数々が公開されています。
モスクワを代表する美術館の1つプーシキン美術館。ここには、江戸時代から明治にかけて描かれた浮世絵3万点が保管されています。
その収蔵品の中から、貴重な1500点がロシアで初めて学術的なカタログとしてまとめられ、公開されることになりました。
「(展覧会に合わせて)学術的なカタログを準備しました。ここに長年にわたる私たちの研究の成果が表れています」(プーシキン美術館・アントノワ館長)
展示品の中には、私たちも一度は見たことのある作品が並びます。歌川広重作の「東海道五十三次」、同じ広重が江戸の町を描いた「名所江戸百景」、また、美人画や役者絵を得意とした喜多川歌麿などの作品も展示されています。
この膨大な浮世絵を残したのは、たった1人のロシアの軍人でした。帝政ロシアの海軍士官だったキターエフ氏は、日本に訪れるたびに、日本美術を海外に広めた岡倉天心の助言を得ながら収集を進めました。
死の直前、その散逸をおそれたキターエフ氏が、ある美術館に寄付し、革命後は、このプーシキン美術館が保管してきました。モスクワに残された浮世絵のひとつひとつを見ていると、1人の人間が成しうる力の大きさを改めて気づかされます。
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