浮世絵の美、研究重ね再現
浮世絵の美、研究重ね再現
左京の版画家、19日から個展
江戸時代の浮世絵の再現を追究してきた京都市左京区の版画家立原位貫さん(56)が19日から、中京区富小路通六角下ルの津田画廊で画業30年記念展を開く。彫りや摺(す)りだけでなく絵の具の研究まで手掛け、歌川国芳や豊国、広重らの浮世絵を再現した作品と創作木版画、合わせて60点を出品する。
立原さんは名古屋市生まれ。ジャズマンを志していたが、あるとき国芳の浮世絵を見て「これと同じものを作りたい」と強く思った。江戸時代の浮世絵の初摺り時の状態を目指し、まったくの独学で木版画を始めた。
初めは図版を見ながら見よう見まねで制作。古美術品店で浮世絵を手に入れたり、コレクターに借りて「本物」の色や線を見ると、絵の具や紙が江戸時代と現代とでは全く違うことに気付いた。紅やあいなどの植物性顔料や、昔の製法に近い紙は入手が困難で「素材の調達がいちばん大変だった」と振り返る。
これまでに、喜多川歌麿、東洲斎写楽など約80点の浮世絵を再現した。「伝統的な技術と素材を生かしつつ、今の時代の木版画を作りたい」と、約10年前からは創作木版画に取り組んでいる。
作品展には、国芳「清月の月」、三代豊国「白井権八」、鳥居清満「市川舛蔵の曽我五郎」、歌麿「芸者亀吉」の再現作品のほか、オリジナル木版画「紅梅白梅」などを出品する。「芳流閣」(国芳)の再現作の版木や摺り見本も展示し、17版の摺り工程を見てもらう。
立原さんは「試行錯誤だった30年の折々を見てもらいたい。時間の流れや空気感までも表せるような木版画を目指したい」と話す。27日まで。
Kyoto Shimbun 2008年4月17日(木)
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