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中江藤樹

中江藤樹:直筆の掛け軸と巻物発見 優しさや思いやりあふれる遺墨

高島市安曇川町出身の江戸初期の儒学者、中江藤樹(とうじゅ)(1608~48年)直筆の掛け軸と巻物が見つかった。村人などの門弟を大切に育てた藤樹の温かな人柄を感じさせる内容の遺墨。藤樹の直筆は地元に約30点残るが、新たに見つかるのは非常に珍しい。市内で開催中の生誕400年祭の7月の「中江藤樹展」で展示される。【近藤修史】

 藤樹は、武士として大洲藩(愛媛県)などに仕えたが、27歳の時、古里に残した母と暮らすために脱藩。村人や全国から集まった門弟らに私塾「藤樹書院」などで儒学を教え、「日本陽明学の祖」「近江聖人」とたたえられている。

 直筆の掛け軸と巻物は、地元の「近江聖人中江藤樹記念館」元館長、中江彰さん(55)=同町青柳=が06年11月までに京都の古美術店などから連絡を受けて購入。自宅で大切に保管していた。

 このうち、掛け軸(縦約25センチ、横約40センチ)は、晩年の1646(正保3)年に詠んだ七言絶句の漢詩。自宅で迎えた正月、天地の恵みに感謝し、門弟らを囲んで開いた楽しげな新年の酒宴の様子が詠まれている。

 一方、巻物(縦約30センチ、長さ約1・2メートル)は、1644(正保元)年、郷里の伊勢に戻る門弟に託したもので、「論語」や「大学」などの書物の解釈を丁寧に解説。討論して学問を学び合った門人を「良き友」といたわっている。

 地元の財団法人「藤樹書院」の山本義雄・常務理事は「藤樹先生の優しさや思いやりが感じられる資料」と評価。中江さんは「真筆を通じ、生誕400年を迎えた藤樹先生の教えを多くの人に伝えたい」としている。

 2点の真筆は7月1~10日、同町上小川の藤樹の里文化芸術会館で開かれる遺墨・遺品展「中江藤樹展」で公開される。

毎日新聞 2008年5月21日 地方版

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