幽霊が怖くってコハダが食えるか!
北斎
歌舞伎座六月大歌舞伎の「生きている小平次」、幕が上がると一面が青い沼のシーン。それだけで拍手が来たことを覚えているとは、21年振りに主演している松本幸四郎。 「これからの歌舞伎を示唆する作品」ともインタビューに答えています。
その「生きている小平次」は大正一三年(1924)の鈴木泉三郎作ですが、享保3年(1718)戯作者、山東京伝が『小幡小平次死霊物語 復讐奇談安積沼(こはだこへいじしりょうものがたり ふくしゅうきだんあさかのぬま)』を著しこれが読本として人気になったところから、小平次ものの芝居や講談が次々生まれ、江戸の人々には非常にポピュラーな幽霊となっていたようです。安政六年(1859)には河竹黙阿弥の「小幡怪異雨古沼」があります。主人公小幡小平次は、三角関係のもつれから殺され安積(あさか)の沼に沈められた旅役者。その殺したはずの小平次が訪ねてくる、ひょっとすると生きている・・・。疑心暗鬼がもたらす恐怖を味わえます。
「小幡小平次」 三代豊国 外題 「小幡怪異雨古沼」 小平次 四世市川 小団次
そして強がる江戸っ子が吐くセリフが「幽霊が怖くってコハダが食えるか」。
江戸落語では小平次の師匠も登場させます。その名もこのしろ伝兵衛。
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