盂蘭盆会
浅草 雷門
作者不詳なれど北斎関与
立版古。盂蘭盆会の供養の灯篭が玩具化したものとされています。おもちゃ絵の中でも古い歴史をもち、その期限は明和期(1764~1772)以前に遡ることができます。寛政・享和年間(1789~1804)には、葛飾北斎や北尾政美が多くの作品を描いたことが『武江年表』に紹介されています。また天保期(1830~1844)前後には歌川国長・豊久の作品が多く見うけられます。一枚の錦絵のなかに描き込まれた人物や家屋などの部分品を切り抜いて、糊ではりあわせて台紙の上に芝居の舞台などを作り上げる夏の遊びです。出来上がった作品は夕涼みの床几の上などで蝋燭を灯して飾り、江戸・京・大坂の三都で盛んにおこなわれたようです。。「組み上げ灯篭」「切組み灯篭」あるいは「組み上げ(絵)」とも呼ばれ、立版古は上方の俗称です。版古は、版行・板行(はんこう)の意で、錦絵や摺物などを指すことば。幕末から明治二十年(1887)頃にかけて、大阪では長谷川貞信・小信父子の立版古が数多く出版されています。歌舞伎の全狂言をほとんど網羅するほどで、大阪における立版古流行の最盛期でありました。
長谷川貞信の作品の中から1枚。 「都名所之内」「如意嶽大文字」
旧暦7月16日、今年は8月16日。満月は8月17日
五山送り火で一番有名なのが「大文字」。後は鳥居形、妙法、舟形、左大文字。江戸時代後期にはこの他に、「い」(市原野)、「一」(鳴滝)、「竹の先に鈴」(西山)、「蛇」(北嵯峨)、「長刀」(観音寺村)、などの字形もあったそうです。因みに「大文字焼き」という言い方は京都の人は快く思わないそうです。
東山区の六波羅蜜寺。祖霊を迎え入れるため、毎年8月8-10日に行う萬燈会では、本堂に数多くの「大」が現れます。丸い小皿に「大」の字になるように灯心を並べ、火をつけたものが百八組。本尊前にも「大」の字型の棚を置き、火のついた小皿を乗せる。お寺によると、萬燈会の始まりは963(応和3)年夏とか。「大」は地、水、火、風の四元素に空を加えて大自然を表した「五大」を意味し、自然への畏敬(いけい)と祖先をうやまう気持ちを象徴しているそうです。研究者には、この「大」の意味が次第に民衆の間に浸透し、送り火の「大」のヒントになったとする向きも。
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