西瓜
北斎晩年の傑作の一つに数えられています。
その理由はもっぱら技法上の卓越さに由来していました。
輪郭線抜きで西瓜や包丁を描き、材料それぞれの質感をも巧に表現しています。曲がりくねった皮や鋭利な刃先を手前に向けた画面構成も印象的です。
しかし近年この絵が見立て絵であるとして注目されています。
七夕の絵だそうです。
宮内庁所蔵であるのは、時の帝の命により制作されたものだからです。
宮中での七夕の行事である「乞巧奠」(きっこうでん)を画題として。
半分に切られた西瓜は盥すなはち星あいを表わし、紅白の西瓜の皮は糸の七夕飾り、種は星、包丁は天の川でその白点は織姫星と彦星。
1861年の「禁中近代年中行事」には乞巧奠の様子を次のように書いています。
「御座所の庭に枝付きの竹を二間四方に立て、上に小縄を四方に引き、御前に面する側の縄に絹糸をかけ、・・・・。高机を置き、その上に針糸、扇、笛、また皮が赤く丸いあこだ瓜の輪切りを七つ、・・・。御殿の縁側には薦をしいて角盥に水を入れ・・・。」
北斎の西瓜図としては北斎館に半分に切られた西瓜を描いた物があるそうです。
また最近フランス国立博物館から里帰りした、」二代載斗作と推定される「西瓜の陸揚げ」も記憶に新しい所です。
江戸時代の西瓜は現在のような甘さはなかったようです。 『本朝食鑑』(1697)には、西瓜を半分に割り、果肉をえぐって砂糖を入れ、暫くおいてから食べる方法が書かれています。
豊国
十二月ノ内 水無月 土用干
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