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ゴッホの絵画に隠れた肖像画、X線分析で再現

L_ah_gogh アムステルダム(AP) オランダとベルギーの科学者が新技術を駆使して、19世紀の巨匠ファン・ゴッホの絵画に隠されていた別の作品を再現することに成功、30日に学術誌に発表した。

新技術を開発したのはオランダのデルフト工科大学とベルギーのアントワープ大学の研究者。当時の顔料に関する知識とX線技術を組み合わせた手法で、ゴッホが1887年にパリで描いた作品「Patch of Grass」(オランダのクレラー・ミュラー美術館所蔵)を調べた。

その結果、草原を描いた作品の下に、女性の肖像画が隠されていたことが判明。この肖像画の精細なイメージをカラーで再現することに成功した (17.5×17.5センチ)。

これまでにもX線を使って隠された絵画を調べる技術はあったが、ぼんやりした白黒画像しか再現できていなかった。

Van_gogh__patch_of_grass_2 専門家によると、肖像画の女性は,1885年の名画「ジャガイモを食べる人々」に連なる作品で描かれている人物と同じモデルと見られる。ゴッホは1884年11月から85年3月の間にオランダでこの肖像画を描き、そのカンバスをパリに住む弟のもとに送って、後に自分もパリに移って「Patch of Grass」の作品を上書きしたという説が有力だ。

ゴッホは1890年に死去するまで貧しい生活を強いられ、節約のため一度描いた作品を塗りつぶして別の作品を書き直すことも多かった。現存する作品の約3分の1は別の作品が下に隠されているとされる。

研究チームが使った手法は、シンクロトロン放射光を使った蛍光X線分光法。絵画の隠れた層を発見するのには、たいてい従来のX線検査などが用いられているが、それには限界があるため異なるアプローチを採用したという。蛍光X線分光法では絵画の層の蛍光性を測定する。蛍光性はそれぞれの化学元素に固有なので、原子の種類(鉛や水銀など)や顔料を個々に描けるという。さらにシンクロトロン放射を使うことで、上の絵画層による測定のゆがみを抑えられ、また測定が高速になると研究者は説明している。研究チームはドイツにある粒子加速器を使って隠された画像の金属原子の二次元分布図を作成。赤い顔料には水銀原子が、黄色の顔料にはアンチモン原子が含まれることが分かっているため、この分布図をもとに隠された画像をカラーで再現できたという。

研究チームはレンブラントやピカソなどの作品もこの手法で調べたい意向だが、粒子加速器が世界に数台しか存在せず、オランダにはないことから当面は難しい見通しだ。

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