水絵
先日のSpaulding Collectionを扱ったNHKスペシャル。
クローズアップされた3人の絵師、二人目は春信でした。
ボストン美術館には322枚所蔵されており、これは最多のコレクションです。
大和絵の修行のため上方で西川祐信に師事した春信、宝暦10年頃江戸に戻ってからはもっぱら版下絵や紅摺りの美人画を描いていました。
赤と緑の2色では人物を描くのが精一杯、背景は地のままでした。
そうする内、明和2(1765)年「座敷八景」シリーズを発表します。
錦絵の誕生です。
10色以上の多色摺りです。これにより人物だけでなくその背景も表現できるようになりました。
その前年明和元年の極端に色彩の淡い7枚の作品が確認されています。
普通墨で描かれる輪郭などに露草が用いられています。
水絵です。柔らかな印象をかもし出し、古典や故事を題材にした作品が多い事もあり、閑雅な趣を伝えています。昨年のギメ展での春信「汐汲み」を覚えておられる方も多いのではないでしょうか。
露草は劣化しやすく残る事が稀で、これまで知られていた絵は、帯の柄が消えたり当初の色調とは異なった状態の作品がほとんどでした。ボストンの所蔵品の保存状態の良さが、改めて絵師の意図を蘇えらせたようです。
露草といえば歌麿は紅を混ぜ独特の紫を使ったことが、以前のNHKスペシャルで紹介されたようです。
トップ画像、実らぬ恋と知りながら通う男の切なさが、一面の銀世界に表現されています。当初は鮮やかな全面の青がいっそう際立たせたことでしょう。
春信は色彩の多様さの可能性をこれらの水絵7枚で実感、錦絵へと発展させていったようです。
2枚目の作品は「近江八景之内 唐崎夜雨」。
これには水絵と紅摺り絵など異なる4つの版があるそうです
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