「江戸名所之絵」
先日青春18切符で姫新線を楽しんで来ました。
途中、津山郷土資料館と新見美術館を訪れました。
目的の一つは鍬形恵斎の「江戸一目図屏風」を見る事。
寛政6(1764)年に恵斎は津山藩のお抱え絵師となります。浮世絵師が御用絵師になるのは非常に稀なことのようです。
老中松平定信との親交の深さが買われたこともその理由のようです。
老中松平定信といえば浮世絵に規制を加えるなど、浮世絵界とは因縁浅からぬ人物ですね。
恵斎は後の文化7~8(1810~11)年に津山を訪れ、焼失した津山城再建本丸の襖絵などを手がけています。
その中の一点が「江戸一目図屏風」。 元々襖絵だったようです。
その基になったのが「江戸名所之絵」。 江戸の東、墨田川の本所上空から江戸城・江戸市中・同郊外を望む鳥瞰図です。
太陽が西にあり、日没寸前の時刻ということになります。
江戸名所200余りの地名や料理屋、商店が書きこまれているそうです。
この絵に似たような物をどこかでご覧になったことはございませんか。
そう北斎です。「東海道名所一覧」、これは文政元年 (1818)年の作ですから北斎の方が後ですね。
また恵斎は寛政七(1795)年 に「畧画式」を発表しますが、その20年後には北斎の「北斎漫画」が出版されます。
斎藤月岑(げっしん)の「武江年表補正略」寛政年間記事を見ると
北斎はとかく人の真似をなす、何でも己が始めたることなしといへり。是は「略画式」を恵斎が著はして後「北斎漫画」をかき、又紹真(つぐさね)(恵斎のこと)が「江戸一覧図」を工夫せしかば、「東海道一覧の図」を錦絵にしたりなどいへるなり。
先日のNHKスペシャルで、「当時他の絵師の図柄を無断で借りる事は一般的」とのコメントがありました。 しかし快くは思われてなかったようですね。
新見美術館、横内正弘氏のコレクションを寄贈を受け充実した内容です。
富岡鉄斎《武陵桃源図》 児島虎次郎《ノールウェイ風景》 金重陶陽《緋襷銚子》
富岡鉄斎《十六羅漢像図》 児島虎次郎《婦人像》
その他日本画だけでも横山大観、富岡鉄斎、平山郁夫、堂本印象、上村松篁、川合玉堂、竹内栖鳳ら。
で、その感想です。ありません。一点も見られませんでした。
「江戸一目図屏風」も新見美術館の所蔵品も展示されていませんでした。
お出かけの節はよくご確認を。
« 中秋の名月 | トップページ | ボストン美術館 浮世絵コレクション »
「今日の浮世絵」カテゴリの記事
- 「絵本庭訓往来」絵師 北斎本人か…新説(2014.05.17)
- 端午の節句(2008.05.03)
- 有卦絵(2008.05.17)
この記事へのコメントは終了しました。



コメント