浮世絵の版木 大量に見つかる
江戸時代に浮世絵を刷るために彫られた「版木」と呼ばれる板が国内で大量に見つかり、浮世絵の製作過程や職人たちの技術の高さがうかがえる貴重な資料として注目されています。
版木は富山県内の旧家の蔵から見つかったもので、あわせて368枚あり、平成19年に国立歴史民俗博物館が購入して調べたところ、ほとんどが江戸末期を代表する浮世絵師・歌川国芳のものとわかり、そのほかに歌川広重や豊国のものもありました。版木は絵を刷るときの原版になるもので、絵師が描いた下絵の線が彫られていますが、髪の毛の1本1本が0.3ミリほどの細さで彫られているなど、版木を作る職人たちの技術の高さがうかがえます。また、多くの版木には刷るときの色を指定する絵師の書き込みが残っていましたが、例えば血の赤い色について、「ちのいろよろしく」とだけしか書かれていないなど、浮世絵の微妙な色合いは版画を刷る職人たちの感性に任されていたことがわかります。さらに、見つかった版木の中には公表されていない浮世絵のものもあり、博物館がコンピューターで色などを再現したところ、くじゃくと遊ぶ若君の絵とわかりました。この若君は去年の大河ドラマの主人公にもなった天璋院篤姫の夫、十三代将軍の家定とみられ、当時の将軍家を風刺していたため、版元が出版を取り止めたと考えられるということです。浮世絵の版木はほとんど残っておらず、今回のように大量に見つかったのは初めてだということで、国立歴史民俗博物館の大久保純一教授は「浮世絵の製作過程や当時の技術を研究するうえで大変貴重な資料だ」と話しています。見つかった版木の一部は24日から千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で公開されます。
NHK動画ニュース
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