桜
北斎がらみを集めてみました。
まずは北斎の摺り物。
狂歌や俳句の仲間内だけに配るべく作られたもので、制作費を考えず凝った仕上がりの物が多いようです。
吉原仲之町の桜はそのシーズンだけに据えられ散ると撤去されたそうです。
その桜に見とれる花魁と新造です。
次ぎはその遊女を描いた魚屋北渓の作品。もと松平志磨守の用達町人にして魚商なればなりと、「本朝浮世絵名家詳伝」に紹介されている北斎の弟子。俳優画は1枚も描かなかったそうです。
本作品は、遊女が化粧を終え、豪華な衣装をまとおうとしている所。青い文様で縁取りされた黒い薄手の着物を、幾枚ものひらひらした襦袢に重ね、脇には厚い帯が置いてあります。幼な子は、鏡台の上の曇った鏡に「の」の字を書いて遊んでおり、隣には桜の小枝が入った色絵の鉢が見受けられます。北渓作品の中で最も大きな軸であるばかりか、複雑な構図や精緻な技法を用いる点で最も意欲的な作品です。北渓は、戴斗落款時期及び為一落款期初期の北斎の人物画から諸要素を引き出し、様式化•肥大化の域に至るまで誇張。両腕の対称的な動きや縮れた襦袢の裾、肌身の描き方、そして取り分け濃密な色彩の繰り返しが、豪奢な融合を生んでいます。
今一人の弟子は蹄斎北馬。美人画の肉筆が多く、狂歌本・読本の挿絵を得意としたようです。薪を売り歩く大原女が全く対照的に描かれていますが、見立て絵のようです。よく画題に採られる許由と巣父の故事によっています。東京国立博物館所蔵の伝狩野永徳作『許由巣父図』などが有名で、曾我蕭白の襖絵は三重県立美術館に所蔵されています。
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